2013年8月
ナチュラルパールミンク 90cm
色はナチュラルパール。白に近いミンクです。
長さは90CM。サイズは42。フード付きです。
横ハギ&フードはカジュアル感 ↑
先日のブログでも紹介しましたが、今回は、黒いスクリーンの前で撮って見ました。
裏地の感じもご覧下さい。
薄い色はよごれると、お思いでしょう。近年、クリーニングの技術が進んでいます。
そして、薄い色のメリット。それは、どんな色にも染色できる。
何シーズンかわかりませんが、デザインをチェンジしたくなった時、
リフォーム代+2万円で赤、青、黄色、どんな色にでも変えられます。
ようするに 毛皮は再生可能な資源 なんですね。
毛皮リフォームの採寸は細かくするのですか?
お客様に数あるリフォームサンプルを着ていただいて、そのフィット具合を、作業責任者の石井明が見ます。
そして、そこからサイズを決めます。メジャーなどを使った採寸は、肩幅や着丈などをしますが、
細かく採寸して、トワール(紙などの立体パターン)などは作りません。
もし、職人が直接お客様に会わないのであれば、
スタッフが採寸を細かくしてそのようなものを作るのでしょうが、
間に人が入れば入るほど費用がよりかかります。
それだけでなく、毛皮は立体素材。立体でないトワールは、
平たく言えば薄っぺらで、お客様自体が出来上がるイメージはわきません。
すると、出来上がってビックリなんで事も。
そこで、ご納得いかなくても、強引に納品するなんてありえないので...
最初に、しっかり毛皮でお互い完成形をイメージしましょうね。
毛皮のプラクトの仕上げは剃刀
刈り毛(シアード)と抜き毛(プラクト)の違いをもっと詳しく知りたい。
ご要望がありましたので、先日に引き続きプラクトの話です。
ご覧のように抜き毛は何百年前から手作業。以前、石井が工場長をしていた時代に、
オーナーが大変な資金をつぎ込んで作ったことがありましたが、トホホ....でした。
刈り毛であれば機械で、できるのに何が違うか?
差し毛を抜いた綿毛の部分は、
赤ちゃんの産毛のように細く先が丸くなっています。
なので、光が乱反射します。
だから、ぽわ~っとした感じでボケた光になる。
これがなんともいえないカジュアルな魅力。
それに対して、シアードは一定方向にシャープにカットされるので、
綿毛の先はカットされ、光が正反射。
鏡のようで、見る方向で色が変わり、
タキシードのようなフォーマルな感じ。
毛皮のカジュアル感。いい感じですね。ちなみに、プラクトの最後の仕上げは、
職人技で剃刀で、最後に残った差し毛をカット。実物はお店で見てください。
作業責任者が直接見てくれるのですか?
自由が丘毛皮工房の特色は、作業責任者、石井明がリフォーム相談、提案、見積もりを
お客様と直接会って行えるところです。なので、”こんなことが出来ます”、”あんなことが出来ます”など、
作業をする立場で提案できます。
ある意味、毛皮リフォームは、手術のようなもの。
仕事を取る人、採寸する人、作業する人など、別れていれば、
病院の受付の方と手術の詳細を打ち合わせするみたいなものですから...
もちろん、肩直しや裾上げなどのサイズ直しはスタッフでも受けれます。
石井明ご指名であれば、外出していたり、予約が入っているがありますので、
あらかじめ来られる日時を連絡ください。
石井明には3人の息子がいます。毛皮工房石井のお客様のアフターフォローは、
末永くお任せください。ヨーロッパの毛皮屋さんは、
何世紀にも渡ってのお付き合いが常識ですから。
毛皮はデザインを変えられるから素敵
シアードミンク(刈り毛)にセーブルをあしらったロングコートのリフォームです。
素晴らしい毛皮。しかし、時の流れというものはある意味残酷。
素敵だった昔の形.......と映ってしまいます。
”ファッションとは過去を否定すること”と言われますが、
とにかく、変化し続けることが宿命。
でも毛皮は大丈夫。リフォームして形を変えられます。そうでなければ、
最初に買うとき、大きなお金を掛けるのは勇気が要りますよね。
ウェストをしぼって、襟や袖の形を変えました。
素敵ですね~。
通常の洋服は形を変えると継ぎ目や縫い目が出るのでほとんどしませんね。
でも、毛皮は変化に対応できる順応素材。
こちらのデザインの変更にかかる毛皮リフォーム代金、
当時、お買い上げに成った金額の消費税程度とのこと。